ラブミーテンダー

うちの会社は先代がまだまだ働き盛りのうちに倒れ息子である現在の社長が若くしてその座に就任せざるをえなかったため、ぼんぼんだった彼はいろいろと苦労したようだ。会社を存続させていくことは並々ならぬ精神と手腕が必要であるだろうし、そこに生来の、または後天的にでも身についたカリスマ性とか人望とかのオーラを纏って人と物とを動かしていくのだ。彼は日々経営書を読みスローガンを掲げ、社内改革に励み、缶詰めスタイルの自己啓発セミナーに参加し一流の経営者に倣い分厚い手帳に格言を書きつらね自らすすんで掃除をし従業員には辛抱強く啓蒙し評価しお世辞を言いくだらない伝票にまで目を通す。その行動は彼の素直で一生懸命な生来の性格からきているものだと思われるが、一向に皆の尊敬を集められないでいる。
つまりはあれだ、人間は間違った努力をしても生まれついてのものが災いして経過はなんとか評価されても(涙ぐましい、など)本人が願う姿にはなり得ない、という見本みたいなものですね。
明日はお休みですので、買い物にでも行こうかと思っています。